株主名簿記載事項証明書とは?作成方法、記載内容などについて詳しく解説

2023-10-26


はじめに

株主名簿記載事項証明書は、株主名簿に記載された株主に関する事項を会社が証明する書類です。
本記事では、株主名簿記載事項証明書の作成方法、交付方法、および記載される内容について詳しく解説します。

1. 株主名簿記載事項証明書とは?

株主名簿記載事項証明書とは、株主名簿に記載された株主に関する事項を会社が書面で証明する書類です。
株券を発行しない会社(株券不発行会社)では、株主名簿の記載が第三者対抗要件になります。
第三者対抗要件とは、権利関係の変動などを第三者に主張するための要件のことを指します。
株主は、株主名簿記載事項証明書によって「株主であること」を証明できます
逆に、株主名簿に記載されておらず、株主名簿記載事項証明書が発行されない場合、株主としての地位を主張することができなくなってしまいます。
よって、会社としては株主名簿を作成し、株主名簿記載事項証明書を発行できるよう準備を整えておく必要があります。

また、株式の取得・譲渡は、株主名簿に記載されている株主に対してのみ実施することが可能です。
株主は、会社に対し株主名簿記載事項証明書の発行を請求することができます(会社法122条1項)。
株主名簿記載事項証明書には、会社の代表取締役の署名または記名押印が必要となります(会社法122条2項および3項)。
株主名簿記載事項証明書については、株券発行会社には適用されません(会社法122条4項)。

会社法では以下の通り定められています。

会社法 第122条
1. 前条第1号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。
2. 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。
3. 第1項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
4. 前3項の規定は、株券発行会社については、適用しない。


2. 株主名簿記載事項証明書に記載される内容

株主記載事項証明書には法定の書式・様式はありません
一般的には株主名簿に記載・記録されている次の事項(株主名簿記載事項)を記載します。

  1. 株主の氏名又は名称および住所
  2. 株主の有する株式の数
    1. (種類株式発行会社の場合は、株式の種類および種類ごとの数)
  3. 株式の取得年月日


3. 株主名簿記載事項証明書の作成方法

株主名簿記載事項証明書は、書面または電子ファイルで作成することができます。
クラウド株主名簿システム「Shares」においては、以下のような様式でファイルを出力できます。

株主名簿記載事項証明書



株式取引の明細は「別紙1」という様式でまとめられます。

別紙1


4. 株主名簿記載事項証明書の請求方法

株主名簿記載事項証明書を取得したい株主は、会社に交付請求を行う必要があります。
交付請求書には、以下のような内容を記載します。

  • 株主の氏名または名称
  • 株主の住所、電話番号などの連絡先
  • 株主名簿記載事項証明書の交付を請求する、という旨の記載

交付請求書の様式の一例を記載します。

株主名簿記載事項証明書交付請求書



一般に、株主が交付請求を行う際は印鑑証明書などの身分を証明できる書類を添付して送付します。

まとめ

この記事では、株主名簿記載事項証明書について、作成方法、交付方法、および記載される内容について詳しく解説しました。
株主名簿記載事項証明書は、株主名簿に記載された株主に関する事項を会社が証明する書類です。
株式不発行会社では、株主からの請求があった際には必ず発行・交付しなければなりません。
クラウド株主名簿システム「Shares」では、株主名簿の作成はもちろん、株主名簿記載事項証明書の発行もオンラインでカンタンに行うことができます。
ぜひご利用ください。